タイヤについて


  1. 寿命

 タイヤの寿命には、トレッド山が減ってなくなる寿命、グリップ低下による寿命、変磨耗による寿命があります。 トレッド山がなくなるとは、一般的に溝が減りスリップサインが出てくる状態です。スリップサインは、タイヤの溝の中に一定間隔でついてますので、比較的わかりやすいと思います。よくサインは出てるのに他の溝はまだまだあるから大丈夫と言われる人がいますが、車検等では必ずチェックされるポイントですし、特に雨天走行の時に危険ですので、早めの交換をおすすめします。
                                                                          次にグリップ低下による寿命ですが、これは見た目の判断としては難しいです。まず、何年も乗らない状態で置かれてるタイヤなどは、太陽の紫外線や湿気によりタイヤ自体の硬化、ひび割れがこれにあたります。
この状態のタイヤは、溝がかなり残っていても、いざ走り出すと、ブレーキ時にすぐロックしたり、コーナリングや右左折で急激に横滑りをおこします。中古車などを購入される時にはこの点も注意してください。

変磨耗による寿命ですが、例えばタイヤの片側だけが磨耗している、タイヤが台形になった、タイヤを真正面から見た状態で、なみなみに段差ができた、といろいろあります。全体にいえることは、走行中にハンドルに振動が伝わってきたり、コーナーリングや、右左折時にバイクの挙動が変、という感じで現れてきます。道路の路肩を頻繁に走るとか、タイヤの空気圧が適正でない状態で走り続けたりすると、変磨耗を引き起こしやすくなります。


  2. タイヤ選び

タイヤをいざ交換する時、自分でタイヤの銘柄を指定して注文されているでしょうか?一般的にショップにタイヤ交換を依頼した場合、「どういうタイヤにしますか?」という質問をされると思います。同じサイズのタイヤでも銘柄や種類がたくさんあり、実際乗り味もそれによってかなり変わってきます。面倒くさいといわずに,一度じっくり店員さんと相談してみるのも面白いかもしれません。


  3. 空気圧とホイールバランス

タイヤはパンクしていなくても、少しずつ空気は抜けていきます。3ヵ月もすると適正圧の半分まで減っていたりすることも結構あります。タイヤはそれぞれ一番性能を発揮できる空気圧というものが決まっているので、それから大幅にずれてしまうと、いくら交換したばかりのものでも、大変危険な目にあう事もありますので気をつけてください。また、空気は熱が加わると膨張する性質があります。タイヤのエアーチェックをする時は、必ず冷えた状態で測定しなければ誤差が大きくでてしまいます。当店では熱膨張が非常に少ない『窒素ガス』をタイヤに入れるサービスも行なっていますので、是非お試しください。
同じようにタイヤの重量差によるホイールバランスの狂いがあります。これは同じ銘柄のタイヤでもホイールへの装着位置が変わるだけで発生します。走行中、タイヤはかなりの高回転で回っています。当然遠心力等も半端じゃありません。
少しの重量差でバイク全体の動きに影響する時がありますので、タイヤ交換の際には店員さんに相談してください。
当店ではホイールバランスを取ることもできます。タイヤ交換の際にはご相談ください。


  4. タイヤの構造と役割

ダンロップ(タイヤメーカー)さんのホームページに詳しくより、抜粋させていただきました。

タイヤの役割から・・・
構造を知るために、まずタイヤの役割についてご説明しましょう。
1.車体やライダーの重さを支える
2.凸凹等路面の衝撃を和らげ、走行をスムーズにする
3.駆動力・制動力を路面に伝え、発進、加減速を行う
4.車体の方向転換や維持等、進みたい方向へ車体を導く
上記が代表的な役割ですが、車体を構成する他の部品と異なり、
一つで多くの役割を果たしているのがタイヤの特徴でもあります。
タイヤの役割
このように多くの役割を果たすために、タイヤの基本構造は幾つものパーツで構成されています。
図01
01
タイヤの骨格となる部分。内部の空気圧を保持し、タイヤが受ける荷重・衝撃に耐えます。
02
直接路面に接する部分。厚いゴム層で内部のカーカスを保護しています。摩耗に耐え、スリップを防止する等の為、さまざまなパターンが刻まれています。
03
走行時もっとも大きくたわむ部分。内部のカーカスを保護し、屈伸運動がスムーズに行えるように設計されています。
04
タイヤをリムにしっかりと固定す部分。リムとの摩擦損傷を防ぐ為チェーファー(補強コード層)、ゴム層などで補強されています。
05
強力なピアノ線を幾重にも束ねて、空気圧によるカーカスコードの引っ張り力を受け止めます。
06
ラジアルではカーカスを強く締め付け、トレッドの剛性を高めています。バイアスではブレーカーが使われ、路面からの衝撃を緩和しています。
07
チューブレスタイヤではチューブの替わりとなる部分。内側の空気を包む役割をします。
バイアス構造とラジアル構造
図02 図03 現在は大きく分けてバイアスとラジアルの2タイプが製造されています。まずバイアスタイヤですが、カーカスのコードが中心線に対し30〜40度の角度(バイアス)で交互に貼り合わせています。このコード角によってタイヤの形・剛性が決まります。ラジアル構造に比べて、設計自由度は小さいですが、路面のギャップをタイヤ全体で吸収しますから、ラジアルよりも乗り心地が良いのが特長でアメリカンやスクーター等、快適性を求められるバイクに装着されています。ラジアルタイヤは高速耐久性に優れた構造で、ほとんどのオンロードスポーツバイクに装着されています。カーカスのコードは放射線状(ラジアル)に並んでおり、ベルトによって締めつけられています。剛性はベルトだけで決定できますので、トレッドとサイドウォールの剛性を別々にコントロールする事が可能です。その為、バイアスよりも柔らかいグリップ力のあるゴムを採用できるなど、設計の自由度が高い構造です。